シスコン王子とブラコン姫
「それくらしか...ないもん。
沙菜ちゃんに言える意地悪...。」
意地悪.....?
「うらら...ちゃん?」
うららちゃんは泣きながら私を睨む。
泣いても可愛い。
おとぎ話にでてくるお姫様みたい。
「悟ちゃんのこと...ずっと...ずっと
前から...好きだった。沙菜ちゃんより
ずーっと前から好きだった。」
うららちゃんは悟に抱きついた。
頭の中がもう真っ白だった。
今日突然出会って...こんなことを
目の前で言われる。
今の私には...この状況が理解できない。
だって...私は子供だったんだから。
悟のほうがもう大人だったんだよ。
「うらら...あの...さ。離せよ。」
「いやっ。離したくないっ!
絶対いやっっ!」
「うらら.....。」
「悟ちゃん約束したもんっ!
私と結婚してくれるって。」
結婚.....?
「おままごとしてたとき...言った。
悟ちゃん私と結婚するって。」
「そんなの昔の話だろ?」
「違うっ。私と結婚するって言ったもん。
嘘つき。ばか!ずっとずっと好きだったのに。」
「うらら.....。」
お願いだから...私の前で他の女の子の
名前はよばないでよ.....。
「悟ちゃんのばかばかばかーっ!」
「...俺もうらら好きだよ。」
え.....?
「好きだよ...俺達家族みたいだもんな。」
悟は固まっているうららちゃんと距離を
おく。