シスコン王子とブラコン姫

「...だったらさ...俺等と夏休みは
遊びまくる?」

悟が花火に火をつけながら言う。

「えっ.....?」

でも、どんなに悟が優しくしても
うららちゃんの心は癒されないよ。

だって─...悟は分かってない。
悟の言う事一言一言が
うららちゃんをドキドキさせて
いるんだから。
悟は何にも分かってないよ.....。

「ほら、私達暇だしさっ。」

綾乃は花火を振り回しながら言う。

「うんっ♪」

うららちゃんも花火に火をつけて
振り回し始める。
そんなうららちゃんの笑顔が
すごく可愛かった。女の私でも
見とれてしまうほど綺麗だった。



私ってほんとに最低だよ。
うららちゃんといる夏休みは
楽しそうで一緒に過ごしたい。
けど.....
心のどこかで悟に近づかないで
ほしいって思っているよ。
早く帰っちゃえって.....
思っちゃっている。
きっとこの気持ち.....
悟が知ったら私のこと...
もう嫌いになっちゃうよね。
私の事見てくれなくなるよね。

ごめんね。

こんなにばかで。
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