シスコン王子とブラコン姫
「私にはどうしても必要な物なの。
あの人がいれば私、生きてける。
沙菜ちゃんは強いって悟ちゃん
言ってたよ?」
私が...強い?
ってことは...悟は私じゃなくて
うららちゃんを選んだってこと?
「じゃあ、今までありがと。」
「うららちゃ...」─ガチャンッ
私が飛び出そうとするとうららちゃんは
すぐにドアを閉めた。
追いかけようとしてサンダルを
履こうとしていると後ろから
綾乃に抱きしめられた。
「うららちゃんがあああ...。」
「...綾乃。ごめん。行かなきゃ。」
「私は大丈夫だと思うよ?」
「え....?」
綾乃は目をこすってにっこり笑った。
「悟はそんな最低な事はしない。
私は分かってるよ?」
「でも...「うららちゃん...
弱すぎるね。」
綾乃は苦笑いをしながら
リビングへ戻っていった。