シスコン王子とブラコン姫

悟Side

車の中で俺の隣は裕也。
迎えはうらら。
相変わらず車はでかくて何十人も
乗れそうな車だった。

「ねえ、何か話さない?」

「え.....あっああ。」

車に乗ってからずっと黙ったまま。
ずっと重い空気だった。
裕也もずっと機嫌が悪くて
何度も俺の事を睨みつける。
そしてうららのことを上から下まで
じろじろ見ている。
まるで親父みたいだ.....。

「着きました。」

「ありがと。」

車のドアが開いてうららが先に
降りて俺も降りて周りをみると...

「は!?ここどこっ!?」

空港でもない...周りには大きな建物が
並んでいる。

「ごめんね。悟ちゃん。空港だとみんなに
聞こえちゃうからここに来て
もらっちゃったんだ。」

「あっああ.....。」

俺達が着た場所はうららが泊まっていた
ホテルらしい。

しかも高級ホテルで1歩進むたび
足がくらくらするような気がする。
こんなところにうららが泊まっていたって
考えるとやっぱりうららが
俺の幼馴染だってことは
信じられない.....。

「さ、入るよ?」

俺はうららに言われるがままに
裕也もひっぱりながらホテルに入った。

「「わあああおおおおあー.....。」」

ホテルに入って裕也と俺は
驚きすぎてへんな声をだした。

「ふふ、そんな驚かないで。じゃ?
行くよ???」

「あっああ.....。」

─ガチャッ

ホテルの1室に入ると高そうな壺が
すぐ目に入った。
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