シスコン王子とブラコン姫
うららが振り向いた。
「ごめんね。裕也くん。席外して
もらっててもいいかな?」
「え?あの「ごめんなさい。」
うららが深々と頭を下げると
裕也は仕方がなくホテルから
出て行って車で執事さんと
待っていると言った。
「うらら...あのさ...
「悟ちゃん。お願い...ね?」
「ああ.....。」
「うららかっ!?早く来い。」
奥から低くてちょっと怖い
かんじの声が聞こえた。
俺がビクッとするとうららは
苦笑いをして
「大丈夫。ごめんね。」と
言った。
「お前...誰だ?」
部屋に入っていくとうららの
お父さんが俺を睨みつける。
「ぱぱ...この人...あたしの
彼氏なの。」
「うららの彼氏だと!?
お前には婚約者だっているんだぞ?
お前は何してるんだ!この
バカ娘が!」
部屋はおじさんの怒鳴り声が
響いている。
耳が痛くなりそうだった。
「ぱぱ...きいてよ。あたし、この人と
結婚するつもりなの。」
「ふざけるな!お前は家を継がないとでも
言うのか!?こんなバカ男に
騙されているんじゃないのか!?」
「バカ男とはなんですかっ!」
俺もつい頭に血がのぼってしまい
言い返してしまった。
「おっ落ち着いて.....。」
うららは一生懸命俺を
落ち着かせようとする。