シスコン王子とブラコン姫
そんなうららをお構いナシに
おじさんは俺にまだ色々
言ってくる。
「バカ男だろ!大体いきなり
来てなんだ!この態度は。
名前も言わないし。何様のつもりだ!」
おじさんの顔は真っ赤だった。
「...パパ。この子は「影山悟です。」
「っっ...!?」
おじさんは一瞬固まったように見えた。
「悟ちゃんっ.....。」
ほんとはうららには自分の名前は
言うなと言われていた。
「おじさん。覚えていますか?」
「...覚えてるに...決まってるだろ。
...キミはいい子だった。けど...
認めない。分かっているだろ?キミが
1番うららのそばにいたんだから。
気づかなくて...いきなり怒鳴って
すまない。でもキミには
分かってほしい。キミなら分かって
くれると思う.....。」
さっきのおじさんとは別人のようで
俺だと気づくと申し訳なさそうに
俺をじっと見ながら言う。
「パパあたしの幸せは考えてるの!?」
うららはおかまいなしに
テーブルを叩いて言う。
「考えている。だから言っているんだ。
悪いが悟くんとは一緒には
なれない。この家はどうするんだ?
悟くんにこんな家を継がせるなんて
悪くてとてもじゃないけど
無理に決まっているだろ!」
おじさんはうららを睨みつける。
「婚約者なんて嫌よ!あたしは
あたしで自分の幸せを見つけたい。
パパとママみたいには...
なりたくないものっ!」
うららはしまったという顔をして
自分の口を手で塞いだ。
おじさんも怒鳴り上げると思って
俺もビクビクしたがおじさんは
深いため息をついて視線を
おとしていく。