シスコン王子とブラコン姫
「うらら...お前はこんな俺達みたいに
なりたくないのは分かる。
だから...幸せになってほしくて
俺は言っているんだ。」
「嫌よ。政略結婚なんて.....。」
うららの目はもう真っ赤だった。
「うらら。お前には...話さなかったが
私と母さんは...反対されていたのに
無理矢理結婚したんだ。」
「え.....?」
うららは意外な顔でおじさんを
見た。
「私は最初からこの家を継ぐと
決めていたんだ。そして無理矢理結婚
したんだ。けど...私も仕事で
全然新婚生活なんて送れなかった。
そして...母さんのことを
幸せになんてできなかった。
好きなこともさせてやれなかった。
うららが生まれたらうららの面倒を
見せてしつけをしっかりしろと
ずっと怒鳴ってばかりだった。」
俺は...この場にいていいのだろうか。
「そしたら...とうとう
こんな関係になってしまってな...。
娘もこんなにわがままに
なってしまって...どこでこう
間違えたんだろうか.....。」
おじさんは悔しそうにシャツの
裾を握り締めて言う。
「パパ...あたし.....。」
うららは自分が言った事を
後悔しているんだろう。
「幸せに...なってほしいんだよ。」
おじさんはうららの事を
抱きしめながら言った。
一体何が幸せなんだろう。
世間からみたらうららはお金持ちで
美人で頭も良くて幸せに
分類されるのかもしれない。
けど...俺からみたらうららは
可哀想な子だ。
ずっと1人で寂しい思いをしていた子。
自由もなくて小さな世界で生きていた。
だから...うららには幸せに
なってほしい。
「悟くん...ほんとにうららを
幸せにしてくれるか?」
「え...と...「うちを
ついでくれ。」
.....は?