シスコン王子とブラコン姫
どういうこと.....?
悟はやっぱり...うららちゃんの
隣にいる道を...未来を...
選んだの?
私のことは...捨てた...の?
外から車の音が聞こえて
見るともうおにいがいた。
「おにいっ!?ホテルって言ってた
じゃんっ!」
「ばーか。なわけねえだろ!
車の中にもういたよ。ほら、乗れ。」
「あ...えっと.....。」
うららちゃんの執事さんが
車のドアを開けてくれた。
「執事さん...いいんですか?」
執事さんはにっこり笑った。
「お嬢様の幸せをそりゃあ願って
いますとも。ですけどね...わたくしは
お嬢様には綺麗なちゃんとした手で
幸せをとって貰いたいと思います。」
「執事さん...。」
「さ、お乗りください。」
「...ありがとうございますっ。」
私は大きな車に乗りこんだ。
「沙菜っっ!」
車の後ろの窓をみるとおにいと
綾乃が手をつなぎながら片方の
余った手で私に手を振っている。
執事さんはほんとに気が利く人で
車の窓を開けてくれた。
「沙菜ーっ!ちゃんと悟連れて
帰ってこいよー!」
おにいと綾乃はそう叫ぶ。
「分かってるよー!」
私も精一杯大きな声で叫んだ。