シスコン王子とブラコン姫
「今すぐ行くよっ!待っててね?」
携帯をきろうとすると悟が
何か言っているのが聞こえた。
「悟...何?」
『沙菜...好きだ。』
─ブチッ
携帯が...きれた。
こんな時に...悟ったら
何言ってるのよ.....。
悟のばかばか。
ばか......。
執事さんに事情を話す前に執事さんは
車を動かした。
「あの...「分かってます。大体聞こえました。」
「大丈夫...ですよね?」
つい不安になって一緒にいた
執事さんに聞いていた。
「...仕事ばかりしていたので...
無理していたのかもしれません。
よく頭が痛いだとか...胸が痛いとか...
言っていたのですが...検査に行くように
すすめたのですが...“そのうち”だとか
“プロジェクトが終わるまで”だとか
言ってて...検査にはいけて
いなかったんです...私としたことが...。」
執事さんは片手で頭を抱えた。
「執事さんのせいじゃないですよっ!」
私は執事さんの席を覗き込む。
「ですが...それも仕事の1つです。
もし旦那様になにかあれば...」
「そっそんなこと言っちゃだめだよ!」
「ですが...それに...お嬢様だって...。」
「っっ.....。」
その続きはわたしも執事さんも言わなかった。
だって分かるもん。すぐに。
うららちゃんは...
1人ぽっちになっちゃうんだから。