シスコン王子とブラコン姫

「どうして...私だけ...
いつも...いつも...こうなっちゃう?」

うららちゃんが少し笑いながら
私を見上げた。

私は目を反らしてしまった。
そんなこと...分からないよ。
なんで...こんな事に...
なっちゃうんだろう。

「お金なんて...もういらない...よ?
先生!助けてください!」

うららちゃんが見ている方向を
見るとお医者さんがいた。

「落ち着いてください...。
大丈夫ですから.....。」

「大丈夫って何が大丈夫なんですか!?
絶対っ!?絶対って言えますか!?」

「落ち着いてください。今は
あなたたちは見守る事だけ
つくしてあげてください。」

「それって.....。」

するとお医者さんは私と悟の方に
振り向いた。

「御家族以外の方は...一旦病室から
でてもらえますか?」

私と悟は顔を見合わせて
ゆっくり頷いた。
うららちゃんは寂しそうにじっと
私達を見ていた。
悟が先に病室からでて
私も出ようとすると小さな声が聞こえた。
振り向くとうららちゃんが私を
じっとみて涙をこぼしていた。

「うららちゃ「ありがと。」

「っ...大丈夫...だよ。
きっと.....私は...信じてる。
信じれば...叶うことあるよ?
だから信じよう?そして...
うららちゃんは1人じゃない。
私も悟も...おにいも綾乃も...
執事さんも...みんないるんだから?」

「ッッ...ウゥッ.....。」

うららちゃんはまた涙をこぼした。

私はゆっくりドアを閉めた。
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