シスコン王子とブラコン姫
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『はは、大丈夫だってー。
宿題もあと何ページかだけだし。』
「ほんとに...大丈夫なの?」
家に帰ってから私は悟と
1日に1回だけPM9時に℡をかけている。
朝は忙しそうだし─.....。
『まあ、終わんなかったら沙菜の
宿題盗むけどな。』
「ひっどーい。やっぱ悟宿題
やばいんじゃないの?」
『はは、だから大丈夫だっちゅーの。
沙菜の盗めばいいだけの話だろ?』
「さいってー。おにいに言いつけるよ?」
『ははは。出た!沙菜のブラコン。』
「なっ...もう!」
こんな時に何ふざけてんのよ.....。
「で、...どうなの?うららちゃん。」
正確に言えばうららちゃんのお父さん。
『ああ.....なんか...ヤバそう。』
急に悟の声が小さくなった。
「えっ!?やばいって何っ!?」
そんなこと...悟言ってなかったのに。
『まだ...目が...覚めない。
このままだと─.....』
─ドクンッ
凄く胸が痛くなった。
頭も痛くて...
座ってもいられないような気がした─。
『沙菜っ!?沙菜っ!?』
「あ...悟...何?」
『...やっぱこの話は沙菜には
できねえよ。やめよう。』
何で...?
「大丈夫だって。言ってよ。私だって
少しは力になれるかもしれないし。」