シスコン王子とブラコン姫
悟Side
「じゃ、俺一旦帰るな。」
俺は荷物をもって姉ちゃんと一緒に
うららの父さんがいる病院まで
来てうららにそういった。
「うん...また...来るよね?」
「...ああ。うらら、あのさ
「私...待ってるから。」
「.....ああ。」
うららはすっかり弱くなっていた。
この頃ずっと貧血だし...
心も弱くなった。
「明後日くらいには...来るのよね?」
うららは心配そうに俺と姉ちゃんを
交互に見ながらそういった。
「えっと.....。」
姉ちゃんは口をモゴモゴして
俺に目で助けを求めてきた。
「あー...来れたらいいよ...な。
でも俺達もさ...その...
ほっほら、高校あるからさ。
うららだってあるだろ?」
「外国はまだお休みだよ。
それにあたしもそのうち都内の
病院にお父さんとうつって
都内の高校に通おうと思ってるから。」
「そう...。あれ?転校するの?」
俺が何か言いかけようとするまえに
姉ちゃんがさきにそれに
気づいた。
「うん。あ、都内にね、
有名なお医者さんがいるの。そこで
治療してあげるって言われて。」
「そっか。あ、したら私達と会いやすく
なるじゃんっ♪」
たしかに、そうだ。
「うん...。」
「あ、悟、そろそろ行かなきゃ
間に合わないよ?」
「おっおう。」
「お送りしますよ。」
執事さんが後ろから声をかけてきた。