シスコン王子とブラコン姫

沙菜Side

家に帰ると留守電が何本も入っていた。

「誰だろー...?。」

見ると綾乃からだった。
携帯にも着信8件と出ている。
それも綾乃から─。
一体何...?

私はすぐに綾乃に携帯で電話をかけた。

『...もし...もし?』

綾乃の声はすごく震えていた。

「綾乃...?どうしたの?ごめんね。
出れなくて。ちょっと友達と一緒に
ショッピング行っててさ。
まだ帰ってこないの?もう新学期が
始まっ『悟とうららちゃんが─...』

悟と...うららちゃんっ!?

「なっ何!?何があったの!?」

まさか悟がうららちゃんのそばに
いるとか『悟が...今、病院で入院してる。』

「.....はあ?」

意味がわかんない。
悟が...?

「悟じゃなくて...うららちゃんのお父さん...
でしょ?冗談やめてよねー。はは...。」

『.....。』

「何?何?はあ!?ちゃんと説明してよ。」

『悟が─...うららちゃんが─...
下敷きになって...頭を...打って...。』

頭を...?

「まっ待ってよ。何ソレ?何でそんなことに
なったの!?意味わかんない。綾乃ちゃんと
落ち着いて説明してってば!」

落ち着いていないのは私だった。

『今...お母さんも病院に来た。』

綾乃の言っている事も良く分からない。
みんなおかしくなっている─。
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