シスコン王子とブラコン姫
沙菜Side
♪♭♯♪♭♯
下校中携帯がなって自分の鞄を
さぐりだした。
「...もしもし?」
『沙菜っ!今どこにいる?』
悟の声だーっ!
「悟こそ今どこにいるのよっ!
私は...学校の近くの...コンビニの前?」
『じゃ、今から行くから待ってろよ!』
「え、ちょっ」 ─ブチッ
私が喋っているのを無視して悟は
携帯を切っていた。
コンビニで待ってろって─...
もしかしてまさかのまさか...
ここに悟が来てくれるのっ!?
帰ってくるなんて一言も聞いてない...?
どうしよう.....。
完全にパニクってるよ。私...
落ち着いてもいられなく私は、
ずっとコンビニの中でうろうろ
していた。
「いらっしゃいませー。」
お店の人が何度も入ってくるお客さんに
声をかけるたびドキリとする。
でも─...
もう10分も経ったのに悟の
姿はない─...。
学校の近くのコンビニって...
ここだけだと思うけど...
違う場所にいるのかな...?
「いらっしゃいませー。」
お店の人の声が聞こえて私は
ハッと入り口をみた。
そこには...懐かしいような悟の
姿があった。
「悟っ!」
私はお店の中だなんて忘れて
夢中で悟に抱きついた。
「沙菜っ。」
悟の優しい体温が私の体を
包んでくれる─。