シスコン王子とブラコン姫
「あ...でもすぐ外国戻るって
言っていたようなー...。」
悟は後頭部をかきながら
モジモジしている。
まるで子供みたい。
「ぶはっ。」
ついふきだしちゃった。
「なっなんだよ!」
「悟可愛かったんだもん。はあー。
やっぱり落ち着くな。」
私は両手を広げて空気を
思いっ切り吸った。
「沙菜、ここら辺空気汚いぞ?」
「悟のいる空気は何でも
落ち着くからいーのっ♪」
悟が帰ってきてくれた。
私の隣にいてくれる。
笑っていてくれている。
それだけでもう十分私は嬉しい。
けど...うららちゃんにも
少し悪いような気がする。
変な...私─。
♪♯♭♪♯♭♪♯♭
携帯が鳴った。
私の携帯かと思ってみたけど
光ってない。
「あ、俺のだ。」
悟は携帯を出して電話に出た。
私たちは着メロを一緒に
しているんだった。
だから時々間違えちゃう。
そんなのが嬉しかった。
「...え─!?」
悟の顔がどんどん真っ青になっていった。
「...うん、分かった。じゃっ。」
悟が電話を切ったのを確認して
私はすぐに悟に問いかけた。
「どうしたのー...?」
「...うららがホテルの部屋に
閉じこもって出てこないらしい。」
「え─...?」
「俺に...今すぐ会いたいって
うららが言っていて─...「行くの?」
「え...?」