シスコン王子とブラコン姫
「悟─...それに私を置いていくの?」
こんな事...言いたいわけじゃない。
でも勝手に口から出た。
「そんなに...大事?うららちゃんが。」
止まらない。
最低なことを言っているって
分かってるのに─。
「彼女の私より大事なら勝手に
どこでも行って優しくしちゃえばいいじゃん!」
私は悟を押した。
行かないって言ってよ。
そばにいるっていて。
はやく...何か言っ...
「なんで...沙菜はそんな言い方しか
できねえんだよ。」
え─...?
「最近の沙菜...はっきりいって変。
怖えよ。いきなり怒ったり...
大丈夫だとか─...ハッキリ言いたいこと
あんなら言えってかんじ。
うららのことだって沙菜には
関係ねえんだからどうこういわれる
筋合いねえだろ?」
何よ...それ。
「私は...関係ないっていうの?」
悟は口を押さえた。
「いや...だから...そうじゃなくて
言い方ってのが「そうだったね。」
「え...?」
「私は関係ないもん。どうぞ幼馴染同士
勝手に仲良くやって。
私は...もう何も言わないから。
悟の好きなようにして─。」
せっかく会えたのに─...。
また一緒に学校で会えるって...
思ったのに。
「沙菜ってさ...時々冷たいよな。」
冷たい─...?
急に冷たい風がふいてきた。
風まで私を冷たいって言っている
ような気分だった。
「沙菜中心で...地球が回っている
わけじゃねえんだよ。それくらい...
分かれよ。」
悟はそう言って私の目の前から
消えていった。