シスコン王子とブラコン姫
悟Side
帰り道...少し言い過ぎたと
後悔しながら俺は家まで
全力で走っていた。
その時携帯が鳴った。
♪♯♭♪♯♭♪♯♭
誰からかみないで俺は
携帯に出た。
「もしもし?」
『.....。』
けれど電話からは何も聞こえない。
ちゃんと見ればよかったと
後から後悔した。
いたずらかもしれないし。
「...用がないなら切りますね。
じゃ『待って.....。』
聞き覚えのある声...。
この声はもしかして─
『悟ちゃんの家の住所...
教えて?』
うららだ─。
「はあ!?何言ってんだよっ!
てか早く部屋から出てこいよ。
執事さんもみんな心配してるぞ。」
『...もう部屋からは出たから
大丈夫。ねえ、住所は?』
さっぱり意味が分からない。
部屋から出た...?
『あたしね...こっそり部屋から
出て今は...駅にいるの。
タクシーつかまえたんだけど
住所わかんないから...。教えて?』
つまり─...
「何も言わねえで勝手にこっちまで
来たっていうのかよっ!?」
『...仕方がないでしょ?今は、
悟ちゃんの顔以外誰も見たくない。
ねえ、住所教えてよ。』
「...駅まで行くから待ってろ。」
─ブチッ
俺は、そのまま家を通り越してバスに
乗ってうららのいる駅まで
急いだ。