シスコン王子とブラコン姫
「悟ちゃん...気づいてないの?」
「はは...何が?」
「あたしが...あたしがちっちゃい頃から
ずっとずっと悟ちゃんのこと
スキだってことよっ!」
スキ...?
「そっそんなの...俺だってうららのこと
幼い頃からスキだったけど。」
「そういうスキじゃない。
幼馴染としてスキなんじゃないのっ!
あたしは...あたしは...悟ちゃんのこと
もう幼馴染としては見れてなかった!
1人の男として悟ちゃんを見ていたっ!」
「っ...?」
頭が真っ白になった。
今までうららは幼馴染として
すごくすごく大切でかけがえのない
存在だった。
俺のもう1人の姉ちゃんのようで
時には妹のようで─。
それが...一瞬にして壊されたような
気がした。
「もう...幼馴染に戻れなくなってもいい。
スキ─。きっとあたしのほうが
悟ちゃんのこと分かってる。
沙菜ちゃんよりも─。
あたしのほうがスキだし悟ちゃんのこと
分かってあげれるよ?」
「うら...。」
うららの名前を最後まで呼べなかった。
途中でキスをされたから。
うららは背伸びをして俺が
抵抗するのを必死に止めている。
うららは角度を変えて何度も
俺にキスをする。
その度...うららの目からは
涙が流れている。
「っー...いい加減にしろよっ!」
俺は、無理やりうららを押した。
「うらら...おかしいぞ。」
「おかしいわよっ!悟ちゃんの
せいだもんっ!お願いっ。
あたしを...受け入れてよ...。
2番目でもいいよ...。沙菜ちゃんの
次にでもいいから...あたしを
受け入れて...。誰かあたしを
受け入れて......。」