シスコン王子とブラコン姫
「ごめんなさい。何度も諦めようと
したんだけど。本当に
出来なかったの。だから
ここにいるの。お願い。悟ちゃんだけは
あたしのこと裏切らないで。」
今...ここでうららを突き放したら
どうなってしまうんだろう?
うららがすごく小さく見える。
うららがどんどん離れて
幼馴染って大切な関係が
壊れてグタグタにされてしまうような
気がする─.....。
「うらら、今日はうちに泊まってけ。」
ただ...こんな事しか言えなかった。
「えっ?いいの?」
うららの顔がパアッと明るくなった。
「...明日になったら執事さんに
連絡いれるからな。」
「...うんっ。」
うららはまた泣き出した。
うららは、いつまでたっても
成長しないような気がした。
それとも俺が成長していないだけなのか?
小さい頃は簡単に言えた言葉が...
だんだん俺は言えなくなっている。
けどうららは簡単に無邪気な言葉を
言えている。
そんなうららがうらやましい。
うららの勇気を
わけてほしいなんて思っていた。