シスコン王子とブラコン姫

─次の日。

─ピンポーン

見ると綾乃がうちまで迎えに来ている。
こんなの久しぶりだな。

─ガチャッ

おにいが嬉しそうにドアを開けた。

私は、少し時間をずらしてからいこ...。

「はあ!?何でだよっ!」

ドアのほうからはおにいの怒鳴り声。

あの2人が喧嘩なんて...めったに
ないのにどうしたんだろう?

後ろから聞こえてくる足音に体がゾクリと
震えた。
冷たい手が私の手を掴んだ。

「へ?」

見ると綾乃がにっこり笑って私の手を
とっている。

「今日は、沙菜と2人で学校行くのっ♪
悟が迎えに来る前にわざわざ早起きして
来たんだからっ!裕也は悟がきたら
ビシッと叱っといてほしいのっ♪
行くよっ!沙菜っ。」

「えええっ?ちょっとまってよ。
って綾乃おー!」

叫んだところで綾乃は止まりそうにない。

おにいの視線を感じながら
私は急いでローファーをはいて
家をでた。

「...で。沙菜はどこまで知ってる?!」

家から出た途端綾乃の声色が変わった。

「知ってるって...?」

「うららちゃんのことよっ!まさかこのまま
黙って見ているつもりっ!?」

「そういうわけじゃないけど...
うららちゃんもきっと寂しいんだよ。」

寂しい気持ちは...分かる。

「変な同情なんて意味ないんだよっ!
相手のためにも自分のためにもよくないっ!
そして悟のためにもっ!このままだったら
悟がうららちゃんにとられちゃうよ。
沙菜は。いつも優しすぎるのっ!
油断ばっかりしてるからだよっ!」
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