シスコン王子とブラコン姫
「だって...どうすればいいのか
分からないんだもんっ!いま悟と
話したら...わたしは、きっと
絶対最低なことを言っちゃうっ!」
そんなの無理だよ。
「...沙菜。」
おにいは困ったような声をだした。
だって...わたしだって自分で自分が
どうしたいのか分からないんだもん。
「...沙菜。少し...頭冷やせよ。」
おにいが下に降りていく足音が
聞こえる。
わたしは、毛布に包まって1人で
泣き続けた。
初めて...こんな苦い思いをしたから
.....わたしはどうすればいいのか
分からなかった。
どうすれば人を傷つけないで
幸せになれるのかもまだ分からない。
わたし─.....。
ただ寂しくて...携帯をずっと握ってた。
おにい、本当はおにいが下に降りて
いったあとすぐ電源をつけたの。
悟からの連絡をずっとまって─...
1人で泣いていたの。
だけど...こういうときにかぎって...
悟からの連絡はなかった。
いつもいつもこう─。
わたしと悟はすれ違いばかり。
それは...何で...?
合わないからなの─.....?