シスコン王子とブラコン姫
沙菜Side
うららちゃんからの電話があって
学校に行くのはすごく不安だった。
でも行かないとしょうがない。
もうふっきるしかないんだから。
私は綾乃やおにいに支えられて
学校に向かう。
「沙菜。何かあったら言ってね?」
休み時間は綾乃がずっと一緒に
いてくれると言った。
「.....ん。」
横目でチラッと悟の席を見ても
悟の姿はない。
時間を.....おくらせて
くるつもりなのかな?
─キーンコーンカーンコーン...
チャイムが鳴って先生が入ってきた。
「出席をとるぞー。」
あ、悟。遅刻だ。
「...影山ー...。ってあれ?
川崎、影山は休みか?」
おにいに聞いたんじゃない。
先生は私に聞いたんだ。
少しニヤニヤしながら聞いた。
こういうの前はよくあった。
悟が具合が悪くて休んでいるとき
先生は私によく聞いた。
そのたびみんなは私をひやかす。
だけど...もうみんなひやかさなかった。
噂は怖い。
一体どこからどこまで知れ渡ったんだろう。
「...知りませ「悟は、遅刻か休みですっ!」
綾乃が遮るように私を助けてくれた。
「そっそうか...?「はい。あと先生。
私が悟の姉なんですから私に聞いてください。」
クラスが静まりかえった。
綾乃の気持ちはすごく嬉しい。
助けてくれて。
だけど...こんなの現実をたたきつけられる
ようで胸がキュッと痛くなった。