シスコン王子とブラコン姫

悟Side

教室に戻ろうとしたときだった。

「おい、悟。」

「...何?」

見ると裕也が腕を組んでこっちを
睨んでいる。

「ちょっと来いよ。」

「......。」

俺は黙って裕也についていくことにした。

...そしてついていった場所は...

「へ?何、俺と2人きりになりたかった?」

誰もいねえ資料室だった。

「冗談は今は抜きにすんぞ。
沙菜とお前どうすんつもりだよ。」

「...どうするってこっちのセリフだよ。
沙菜は何なんだよ。俺が何を
したっつうんだよ!」

「はぁ?お前こそいきなり沙菜に自分の
口で伝えねぇで何言ったんだ!」

「.....は?それどういうこと?」

どいつもこいつも
何を言ってんだよ。

「だからそれは「おい、そこで何してる!」

声がした方を見ると体育の山田がいた。
熱血でうるせえ奴。

「...いや、資料を探していたんですが
見当たらなくて...失礼しました。」

裕也が冷静に答えて俺を腕を引っ張って
資料室から駆け出そうとした。

「おい、影山。お前夏休み明けの
課題プリント出してねえぞ?あ、川崎は
でていきなさい。」

「...はっはぃ、失礼しました。」

裕也は少し残念そうな顔で俺をみて
資料室から出て行った。



─それから俺は山田の説教をうけて
結局弁当すら食えなかった。
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