シスコン王子とブラコン姫
「沙菜.....。」
「悟、正直に教えて。
なんで...うららちゃんなの?」
沙菜の目から大粒の涙が
こぼれていく。
「っ.....違う。」
「へ...?」
俺は強く沙菜の手を握った。
「違う、俺はうららを選んでない。」
「...どういうことよ...それ。」
「俺は...そんな事言ってない。
沙菜、頼む。うららを
恨まないでくれ.....。」
俺はうららが嘘をついていたことを
沙菜に話した。
─「...それ本当なの?」
「ああ、だから沙菜。
うららのことは...うおっ!」
沙菜は俺に抱きついてきた。
「沙...菜?」
「いいのッ!それだけで十分っ...。
悟は...わたしのことキライに
なってなかったんでしょう?」
「...アホ。沙菜のこと
嫌いになるわけねえだろ。」
沙菜の頭を撫でて抱き寄せた。
愛しくてたまらない沙菜。
もう離したくない─っ。
「悟...私ね」♪♯♭♪♯♭
急に俺の携帯が鳴った。
【うらら】
「悟っ.....。」
沙菜は心配そうな顔で俺の
携帯を見る。
「...大丈夫。ちょっと待ってろ。」
俺は深呼吸をしてから
電話にでた。
「...もしもし?」
『ウゥッ...悟...ちゃんっ、どうしょ...。
どうしょ.....。』
「...何だよ。」