シスコン王子とブラコン姫
「どうして...悟がいくの?」
どうしてって.....。
「どうしても行かなきゃだめ?」
どうしてもって.....。
「悟はどうしてそんなに優しいの?」
「っっ.....。」
「私以外の子に優しくする理由なんで?」
「っ...沙菜が世界で一番大事だ。
だけど...どうしても行ってやらなきゃ
だめなんだ。」
手が震える。
それを必死でおさえた。
胸が痛い。
苦しい。
「.....分かった。」
ああ、また俺は沙菜に逃げられて
しまうんだ─。
「行ってきていいよ。」
え.....?
「悟のそういうところが好きになった。
だからうららちゃんの元へ行ってきて。」
沙菜─.....。
「そして...私達もう終わりにしよう。」
......?
「はあ...?」
「こんなにすれ違ったのはじめて。
もう限界。無理だよ。私。」
噓......。
「噓だろ?冗談だろ?」
「悟、私コレが運命だと思うの。
だからこんなにすれ違いが起きるんだ。
運命に逆らったらだめなんだよ。
きっと。」