シスコン王子とブラコン姫

何が......運命だよ。

「だったら.....。」

「え?」

「だったらそんな運命壊しちまえばいいだけだろ!
運命なんて作りゃいいだけだろ!
俺達なら...作れるはずじゃねえのかよ?」

俺は沙菜の小さな肩を揺さぶった。

「悟...痛いよ。」

どこかで聞いた事のあるようなセリフ。
前にもこんなことが
あったような気がする。

「...はは、これが...運命って
言うのかよ.....。」

「...うん。」

沙菜はしゃがみこんだ俺を黙って
見下ろしている。
だんだん空に雲がかかってきた。

「...沙菜。俺は、初めてだった。
なにもかもがはじめてだった。
初めてこんなに人をスキになった。
初めてこんなに人を愛した。
離したくないって思った。
誰にも渡したくねえって思った。
永遠があるって...思った。
違えのかよ.....?」

「...永遠はあったよ。」

俺は驚いて沙菜をみた。
沙菜は泣いていた。
けど息もきれたいない。

「永遠は...ここにあったよ。
あったよ。永遠。
私達の思いは永遠だよ。
だけどね...悟。
ここでうららちゃんを見捨てたら...
私一生自分を恨んでしまう。
いやなの。身近な人が死ぬのって。
うららちゃん...1人になっちゃうんでしょ?
私分かるから。」

沙菜.....。

「だから...行ってあげて。」

沙菜...。

「沙菜、俺は沙菜を愛している。」

「うん、行って?」

沙菜に涙をすくってソッとキスを
した。
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