シスコン王子とブラコン姫
沙菜Side
「...火葬ってどんくらいかかんの?」
「ん...あと1、2時間くらいじゃないかな。」
おにいと綾乃の会話が
かすかに聞こえる。
昨日のお通夜では泣きすぎて
よく眠れなかった。
お葬式には悟のお母さんも
駆けつけてきた。
昨日からうららちゃんの姿は
私の視界には入らない。
どこにいるのかわからない。
執事さんも結局どこにいるのか
分からないまま。
「沙菜、疲れたか?」
おにいが心配そうに私の顔色を伺う。
「ううん。大丈夫、もっと辛いのは
うららちゃんなんだから。」
「...そうだな。」
ゆっくり空を見上げると煙が見えた。
っっ!?
「沙菜っ!?」
そのとたん急に胸が痛くなった。
おにいと悟と綾乃の声が聞こえる。
でも声は聞こえるけど何て言っているか
なんて聞き取る暇がない。
激しい胸の痛みが私を襲う。
苦しい─。
息がしずらい。
呼吸が.....できない。
私は地面に座りこんだ。
でも息ができなくて...