シスコン王子とブラコン姫
「沙菜っ!」
悟が急に私を抱きしめた。
「さと.....る?」
悟は私を離さないままずっと
私の頭を撫でつづける。
「...もう沙菜を1人に
したくないんだっ!」
「っっ.....でも...うららちゃんが「そんなことどうでもいいんだッ!」
悟が怒鳴るように言った。
「...うららも大事だ。すごくすごく。一生あんな大事な家族のような幼馴染の関係なんてもうつくれねえって思う。だけど...だけど俺が守るべきものができたんだ!」
悟.....。
「ちゃんとケリつけたい。それから...また沙菜はこうしてちゃんと迎えにきてもいいか?」
「ん、いいよ。けどね、悟。」
「ん?」
優しい悟の瞳が私を見る。
まるで子犬のようで可愛い。
「...私もいかせて。」
「えっ!?やめろよ。こんな状態で
また倒れたらどうすんだよ!」
「大丈夫っ。もう大丈夫だから。だから行かせて。ね?」
悟はしばらく考えてから
コクリと頷いた。
私はそんな悟に笑いかけた。