シスコン王子とブラコン姫
悟Side
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うららは近くのホテルで
泊まるらしい。
うららもまだショックは大きいだろうけど
執事さんがその分うららの
そばにずっといた。
俺は沙菜を裕也と姉ちゃんに
あずけてうららのホテルまで
訪れた。
明日は連休でよかった。
俺達は明日朝一に帰る予定。
「悟ちゃんっ!」
背後からうららの声が聞こえて
振り向くと髪がぬれて
おでこに少しはりついたうららが
きた。
「ちゃんと髪乾かせば
よかったのに。」
俺はうららの髪を見て言った。
「でも待たせるのも悪いでしょ?
それより話しってなに?」
「...ロビーでも入っていい?」
うららは黙って頷いた。
ロビーは相変わらず立派でこんな格好を
した俺が入っていいのだろうかと
思うくらいだった。
「悟ちゃん。あたしは悟ちゃんのこと
諦めることなんてできないよ。」
椅子に座るか座らないかの俺に
うららは余裕そうな顔で
そういった。
「はは、いきなりなんだよ。」
「だって悟ちゃんさっきからずっと
悪いけど俺は諦めてくれって
顔してたんだもん。」