シスコン王子とブラコン姫
「.....ごめん。」
俺は謝りながらも下を向いた。
「...別にいいの。分かってたし。
あたしは沙菜ちゃんには
かなわないもの。」
うららは自分の手をギュっと握った。
「...うららは大切な幼馴染だよ。」
「...幼馴染以上にはなれないの?」
俺は横を向いた。
大きな窓があってまっくらな
空が見えた。
だけど明かりのせいかロビーが
反射していて星があるのかも
確認できない。
俺は再び視線をうららに戻した。
「幼馴染以上って何?」
「恋人。」
うららはすぐに答えた。
だけどうららの声は震えていて
寂しそうだった。
「...ほんといつもうららは
さびしそうだな。」
「心配?あたしのこと。」
俺は頷いた。
「心配だよ。すごく。うらら幼馴染以上って
恋人って形でならなきゃだめ?」
「他に何があるの?」
うららは少し怒りの感情を
こめていった。
「...うららはもう家族だよ。」
「え?」
「大切な家族だよ。かけがえのない存在。
なくしてはならない存在。
こんな大切な特別な存在は
もうつくれないよ。
うららは俺の第二の姉ちゃんみてえな
もんだもんなー。」