シスコン王子とブラコン姫
「それ、聞き飽きた。」
うららが鼻で笑いながら言う。
「もう、いいよ!いい。分かった。
あたしも悟ちゃんは大事な幼馴染。
分かった。だから今までみたいに
接してくれる?」
「ああ─。」
─ポツ、ポツ
その時急に雨が降り出した。
─ポツ、ポツ...ザァアー
「うわ!雨降りやがった。」
急な雨。
外からは雨の音しか聞こえねえ。
「本当だ。天気予報で行っていなかったのにね。
悟ちゃん。今日はホテルで
泊まっていったら?」
「え、でも沙菜たちが「大雨だし今日だけ
泊まって行って明日すぐに
帰ればいいじゃん。ね?」
俺はもう一度窓の向こうを見る。
暗闇の中雨しか降っていない。
俺はしかたがなく今晩このホテルで
一夜を過ごすことに決めた。
─────
「悟ちゃん。温泉行っていたら?
すごく綺麗だし気持ちいいって
さっき言ってたわよ。」
「ん?あぁ。でも沙菜に連絡
いれとかなきゃ「あたしがいれとくよ。
だから悟ちゃんは休んできて。」
「え、でも「いいから。あたしもこうやって
気を紛らわしたいの。」
うららに強引に部屋から出され
俺は温泉に行く事にした。