シスコン王子とブラコン姫

─────

朝になって俺はホテルから
出ていこうとした。

「じゃあな。うらら。」

執事さんに頭を下げて俺はドアに
手をかける。

「ああっ!」

後ろからうららの声が聞こえて振り向いた。

「悟ちゃん。これ...沙菜ちゃんに
渡してくれる?」

「.....?何これ。」

「いいから。絶対開けないでね?」

うららは俺に何度も言う。

「わっわかったって。」

俺は封筒を預かった。

「じゃあね。」

うららは俺を部屋から見送るだけだった。


いつもだったらなんたかんた
ついてきていたのに.....

「悟──っっ!」

「沙菜.....?」

見ると沙菜が目に涙をためて外から
手をふっている。

俺は急いで外に出る。

「悟のばか!ひどいよ.....ひどい。」

「沙菜.....?うららから
連絡あっただろ?」

「あったわよ!最低ッ!」

─バシンッ

「いでっ.....。」
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