シスコン王子とブラコン姫
沙菜Side
【沙菜ちゃんへ。
あんなにひどいことをしたことを
どうか許してください。
あたしは今イギリスにいます。
あたしはこの家を継ぐことに決めました。
お父様がもともと用意していてくれた
許婚とも最近は仲よくしています。
もしかしたらそのうち結婚...
なんて考える日もあります。
あたしはちゃんとその人を好きに
なることができました。
結婚する日もそう遠くはないと思います。
結婚することになったら沙菜ちゃんを
呼びたいと思っています。
気がはやいですよね。
だけどあたしも誰かと一緒に
家庭をつくって1人から抜け出したいです。
沙菜ちゃん。どうかあたしを許して。
あたしは沙菜ちゃんにずっと
憧れています】
うららちゃんからきた久しぶりの
メール。
日本はすっかり秋。
イギリスは.....そこまでは
書いていなかったから分からない。
うららちゃんはやっぱりまだ
元気はなさそう。
大切な家族がいなくなって
しまったから仕方がない。
けど.....うららちゃんにも
ちゃんと好きな人ができて
良かった。
私は携帯を閉じてマフラーを
首に巻く。
─ピンポーン
ちょうどチャイムが鳴った。
ドアが開く音が聞こえた。
「おっはー。裕也あっ///」
綾乃の高い声が聞こえる。
綾乃ったら最近は勝手にうちに
あがりこむようになって.....。