シスコン王子とブラコン姫
「綺麗ー...。」
沙菜は拍手をしながら呟くように言った。
今日のうららは一段と綺麗だった。
綺麗なドレスをきて...
いつもより化粧は濃いがそれもまた
大人っぽく似合っていた。
いつだか俺が幼いときうららの誕生日
パーティーに招かれた。
その時もうららはあんなふうにドレスを
着て化粧をしていた。
その時は...俺がうららの手をとって
入場していた。
でも...俺も隣にいたい人が
できた。
俺は沙菜を横目でみた。
沙菜はうららに見とれていた。
きっと憧れているんだろう。
うららにも...隣にいてほしい人が
出来てよかった。
俺は精一杯拍手をした。
─それから婚約式はうららにとって
忘れられない1日に加わった。
─────
「あーあ。うららちゃん綺麗だったね。」
飛行機の中で沙菜は弁当に
かぶりつきながら同じことを
何度も言う。
「そうだなー。」
隣の綾乃と裕也はお互いに食べさせていたり
して世界が違う...。