シスコン王子とブラコン姫

上靴を履いていると綾乃が
私の肩をポンと軽く叩いた。

「綾乃...??」

「がんばっ!」

そう言って綾乃はおにいのもとへ走って行ってしまった。

もう...みんなしてなんなのよっ!

私だって...色々考える事だってあるんだから.....。

『沙菜...』

「へ...??」

後ろを振り返っても誰もいない。

いるとしても知らない人ばかり。

「沙菜...どうした??」

悟は心配そうな顔で私を見てきた。

「へっ!?あっ...なんでもなぃ...。」

「そう..。」

気のせい...か。

お母さんの声が聞こえたような...
そんな気がした。
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