記憶〜切愛〜
プロローグ
水が押し寄せてくる。

あっという間に飲み込まれて、渦の中をぐるぐると巻き込まれる。

いつの間にか息ができなくなって、目を開けるとそこには水じゃなくて白い世界が広がっているの。

そこにはとてもきれいな女の人がいて、一瞬でこの人が神様だってわかった。

背中に羽ははえていないけど、天使のわっかもないけど、私にはわかった。

私の一生の中でここまで優しい笑顔をする人はいなかったから。

まるでその人そのものが安らぎの象徴のようだった。

そんな人になぜか私は食って掛かるの。

『私を戻して』

『せめて一年だけでいい』

『━━くんにまだ言ってないの』

なぜか私は泣いている。

神様は安らぎのほほ笑みを私に向けて、首を横に振った。

でも神様が人差し指をたてると私の頭の中で優しい声が聞こえたの。

『一度だけならあわせることができます』

私はその言葉を信じてずっと時がくるのを待ってた。

そこは居心地が悪くて、ずっと誰かの泣き声が聞こえたの。

でもいきなり世界がかわって、頭上には大輪の桜の花。

向こうから男の子がかけてきて…

そこでいつも私のこの夢は終わる。




彼は…誰?

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