記憶〜切愛〜
受験当日
受験当日。
お兄ちゃんが車で試験会場まで送ってくれた。
私が心配だから最後まで見守りたいって。
帰りにまた迎えに来るとだけ言うと、お兄ちゃんは近くの駅へと車を走らせていった。
「まったく…。心配性なんだから」
私は受験会場のほうへ振り返り歩きだした。
ちょうど普通科の受験生も今日が受験日らしくて、みんなピリピリした表情で校舎へと入っていく。
そんな中で“彼”を見つけた。
少し寂しげな遠くを見つめる瞳。
“彼”は“お兄ちゃん”そのものだった。
建造物へと消えゆく彼を追い掛けようとした私に誰かが声をかけた。
「美術科受験生ですか?」
「え?」
振り向くとそこにはフランス人形のような、フワフワで茶髪の長い髪をした可愛らしい小柄の女の子がいた。
「あの…。私美術科、受験するですが、あー…受験会場がわからなくて…」
困ったように笑って首を傾げている彼女に私は少し見とれていた。
「あのー…」
「あ、えと…
私も美術科だから一緒にいく?」
ふと我に返って慌てて返事をすると、彼女はとてもうれしそうにうなずいた。
「はい!ありがとうございます」
お兄ちゃんが車で試験会場まで送ってくれた。
私が心配だから最後まで見守りたいって。
帰りにまた迎えに来るとだけ言うと、お兄ちゃんは近くの駅へと車を走らせていった。
「まったく…。心配性なんだから」
私は受験会場のほうへ振り返り歩きだした。
ちょうど普通科の受験生も今日が受験日らしくて、みんなピリピリした表情で校舎へと入っていく。
そんな中で“彼”を見つけた。
少し寂しげな遠くを見つめる瞳。
“彼”は“お兄ちゃん”そのものだった。
建造物へと消えゆく彼を追い掛けようとした私に誰かが声をかけた。
「美術科受験生ですか?」
「え?」
振り向くとそこにはフランス人形のような、フワフワで茶髪の長い髪をした可愛らしい小柄の女の子がいた。
「あの…。私美術科、受験するですが、あー…受験会場がわからなくて…」
困ったように笑って首を傾げている彼女に私は少し見とれていた。
「あのー…」
「あ、えと…
私も美術科だから一緒にいく?」
ふと我に返って慌てて返事をすると、彼女はとてもうれしそうにうなずいた。
「はい!ありがとうございます」