プレイボーイとのラブバトル?
「何よ。離れることないじゃない。」
千夏は俺に近づいてくる。
「くせえよ。離れろ。ぶす。」
「ひどーい!」
相変わらず性格は変わっていないようだ。
「そんなことして...いいの?
忘れたの?」
「...もう知らねえよ。」
「もう忘れたの?黒澤美鈴のことさ。」
「お前は...どこまで美鈴に
恨み持ってんだよ。」
千夏は一瞬真顔になった。
でもすぐにいつもの意地悪そうな顔に
戻った。
「言ったでしょ?女って怖いのよ?
あたしは一生憎む。絶対に許さない。
あとさ、もう一回あたしたちやり直そう?」
やり直す...?俺が千夏と!?
「ばかじゃねえのか?俺達別れただろ。」
「知ってるよ。誠司の鞄の中。黒澤美鈴との
1ヶ月記念の日からず──っと入っている...
ネックレスのこと。」
「お前...勝手に見たのかよ!」
俺は思いっきり机を叩いた。
でも千夏はビクともしねえ。
「付き合っていたときなんだから浮気チェック。
そんくらいいとしの美鈴ちゃんも
してたんじゃないのー?」
「お前と...美鈴を一緒にするな!」
俺はこぶしを必死に抑える。
「...何でよ...?」
千夏の声が震えてきた。
「は...?」
「何で?どこまでそんなに大切にするの?
別れたんでしょ?噓つかれていたんでしょ?
騙されてたんじゃないの?
何で...みんな...黒澤美鈴ばっか...。」
千夏の目から涙が溢れた。