永遠の花ことば*番外編*
傍に
春の暖かい日差しはだんだんと強く照りつけるようになり、
フィルミスクにも夏が訪れた。
「母様ー、!
こんな暑い時に勉強なんてしたくないー!」
王子エスポワールはぐずっていた。
確かにこの暑さでは勉強する気にはなれない。
実際シルクも仕事を切り上げてエスポワールの部屋に来ていた。
「そうねー、私もしたくないわ!
ほんっとに暑いんだからー、」
自分をパタパタと仰ぎながらシルクは笑う。
しかし未だエスポワールはシルクを睨んでいる。
こう考えるとミリアーネの苦労がよくわかる。
シルクはそう思いながらエスポワールを抱きしめた。
「暑いってばー」
そう言いながらもシルクから逃れようとしないエスポワール。
やがてクスリとシルクが笑いをこぼすと、
エスポワールもつられ、2人で笑った。
「じゃあ、今日は父様のところへ行く?」
シルクはエスポワールの頭を撫でながら言った。
目を輝かせてシルクに飛びつくエスポワールを、
リヴは見ていただろうか…