永遠の花ことば*番外編*




そんなシルクの幼い表情に、

ルキはぷっと吹き出した。


それを気にすることもなく、シルクはエスポワールににじり寄った。



「さぁ、エスポワール!

なんで母を避けるのか言ってごらん!」



意地悪く微笑み、両手を突き出すシルクに、

怖気づいたエスポワールは大きな涙を浮かべながら言った。



「だって母様、ぼくの事溶かそうとしてる!」



うぅ、とうなり、エスポワールはルキの胸に体を縮こませた。

そんなエスポワールの可愛さに、

シルクもルキもぽかんとした表情で一瞬固まった。


そして2人で大きく笑うと、シルクはエスポワールの頭を撫でた。



「さっき言ってたことを気にしているのね?

大丈夫、汗をかいたくらいで人間溶けたりしないわ。」



その言葉を聞くと、

今度はエスポワールがぽかんと口を開いて静止した。


ぴょん、とルキの上から飛び降りると、

エスポワールはシルクに抱きついた。



「ごめんなさい、母様!」



そう一言笑って言うとエスポワールはリヴの墓へ走り寄った。

開け放たれたドアから夏の爽やかな風が送り込まれてきた。






< 5 / 10 >

この作品をシェア

pagetop