永遠の花ことば*番外編*
そんなシルクの幼い表情に、
ルキはぷっと吹き出した。
それを気にすることもなく、シルクはエスポワールににじり寄った。
「さぁ、エスポワール!
なんで母を避けるのか言ってごらん!」
意地悪く微笑み、両手を突き出すシルクに、
怖気づいたエスポワールは大きな涙を浮かべながら言った。
「だって母様、ぼくの事溶かそうとしてる!」
うぅ、とうなり、エスポワールはルキの胸に体を縮こませた。
そんなエスポワールの可愛さに、
シルクもルキもぽかんとした表情で一瞬固まった。
そして2人で大きく笑うと、シルクはエスポワールの頭を撫でた。
「さっき言ってたことを気にしているのね?
大丈夫、汗をかいたくらいで人間溶けたりしないわ。」
その言葉を聞くと、
今度はエスポワールがぽかんと口を開いて静止した。
ぴょん、とルキの上から飛び降りると、
エスポワールはシルクに抱きついた。
「ごめんなさい、母様!」
そう一言笑って言うとエスポワールはリヴの墓へ走り寄った。
開け放たれたドアから夏の爽やかな風が送り込まれてきた。