初恋は夢の中
時間が止まればイイのに…

このまま、ずっと二人でいたい…


しかし、静寂は続かなかった…



「さっ、もう今日は遅い。布団を敷いたから、ゆっくり休みなさい。」
先生は、私に諭しゆっくり体を離した。



私は首を横に振り、駄々っ子の子供みたいに先生にしがみつく。


先生は、私の頭を撫でてくれた。
何度も、何度も…



「先生…」

「んん?」

「私のコト… 好き?」

「… … … 。」

「私は、先生の事がスキ…。」

「… … … 。」

「先生と、一緒に居たいの…。ダメ…?」

「… … … 。」

「あの日から、ずっと先生に会いたかった…。あの日から、ずっとスキだった…。」

「… … … 。」




互いに顔を合わせたまま、沈黙が続いた。


私は、怖かった…
先生の言葉が…

何を発するのか、分かっていたからなのかもしれない…

気持ちを伝えたら、何かが壊れる…

もう、こうやって会えないかもしれない…

なのに、抑えきれない感情…


涙は、もう出なかった。



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