初恋は夢の中
卒業
先生とは授業以外、話しも会いもしなかった。

それでイイんだ…
それでイイ…

私は、信じた。

先生との約束を守る為、私は勉強をした。

勉強をして、して、して、して、して、しまくった。


2年生の3学期には、成績は上位になっていた。



そして、私はもっと勉強をした。

頑張って、勉強をし続けた。


3年生の1学期に、始めて一番になった。


一番を維持する為に、また勉強をして、して、して、して、して、しまくった…。



先生との約束を、守る為に…
たった一つの繋がりを信じたかった…



私は卒業後の進路の事を、考えていなかった。
常に白紙で出していた。

担任の先生には、進学を何度も勧められた。
「行かない。」
私は聞かれる度に、そう伝えた。

「じゃ、就職は?」

「しない。」

「じゃ、これからどうするんだ?」

「分からない。」
煮えきらない態度で、担任の先生に言う。


「それだったら、短大でも大学でも神崎の成績なら、どこでも行けるんだ。進学をしてみないか?」
担任の先生は、また同じ事を言った。


「 … … … 。」
私はうつ向き黙った。

担任の先生は、私に匙を投げ
「もう一度、ゆっくり考ろ。」
と言って、席を立った。



< 13 / 258 >

この作品をシェア

pagetop