初恋は夢の中
―― 12月31日 ――


静かに、今年が終る…

外には、雪が積もっていた…


今年の初雪は、例年より早かった。
しかし次の朝には、溶けて跡形も無くなっていたのだった。


そしてまた、イヴの日に雪が降り、ホワイトクリスマスになった。

今年のイヴは、桃子の家でパーティーをした。

その帰りに、雪がしんしんと降っていたのだ…。

ほろ酔いの私達には、真っ黒な空から落ちてくる、真っ白な結晶が、顔に触れた時の冷たい感触が、気持ち良かった…

まさかその雪が、根雪になるとは…


朝、カーテンを開けると、一面真っ白な景色が飛び込んでくる…

朝陽を浴びた雪達は、キラキラと輝き、あっという間に昨日とは違う顔を見せた…


その雪は、今も溶けずに私の目の前にある…

紅白歌合戦も終わって、今まさにカウントダウンが、テレビで始まる所だった。


外にいる雪達も、私達と一緒に、年を越す…


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