初恋は夢の中
コーヒーを飲み終えた先生は、着替える。
と言って、部屋に行った。


指輪に気付いてくれなかった先生に、ちょっとガッカリした私は、同じ様に部屋に行った。



着替えをする、
先生の後ろ姿…
先生の背中…


私は、後ろから抱き付いた…

着替えを止めた、先生が振り向く。
そして、そっと私にキスをする…

その時、髪を結っていたかんざしが落ちた…
窓からの風で、ふわっと髪がなびく。


先生は優しく帯を解き、着物をハラリと落とす。

長襦袢姿になった私を、もう一度抱き締めた。

― 綺麗だよ ―

ゆっくり、私をベッドに誘う。

長襦袢の紐を解いた時に、先生は指輪に気付いた…

「先生、気付くの遅い…」
ため息交じりに、うつ伏せになる。

先生は私の、首筋や背中にキスをしながら、謝った…



そして何度も何度も、言った。

愛してる…と


私を壊れるくらいに、強く強く抱き締めた。
そして、私達は同じ夢を見た…


指輪が、ゆらゆら揺れている夢を…



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