初恋は夢の中
―― 紅く染まる月 ――



「先生?今日も、お月様が綺麗だね…」

「あぁ。」
私の肩を抱きながら、月を見た先生。


月を見る横顔は、いつもの横顔と、どこか違って見えた。

沢山の顔を持つ、先生…



もっともっと、知りたい…

過去の先生じゃなく、
今の先生を…



知って欲しい…

過去の私じゃなく、
今の私を…



明日に、同じ形がないように、私達もまた、形のない愛を確かめながら、歩き続ける…



二人で、手を繋ぎながら…

いつまでも…
いつまでも…



永遠の愛を、探し続ける…



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