初恋は夢の中
「美和子…。美和子。」


遠くから、先生の声がする。


「美和子、朝だよ。起きない。」

「うぅん…。あっ…、先生ぃ…」

「おはよう。今日も良い天気だよ。」

「おはよう…。」
寝ぼけ眼の私は、まだ夢うつつだった。


「ずいぶん、ぐっすり寝てたね…」
先生は、ベッドに腰を下ろし私の髪を撫でた。

「夢を見てたの…」

「夢? どんな?」

「初恋の夢…」

「初恋?」

「そう…、初恋の人が出てきたの…」

「美和子の初恋は、誰?」

「やだぁ…。知ってるクセに…」
私は照れながら、先生の腕を軽く叩いた。

「僕?」

うん…と頷きながら、先生に寄り掛かり、私は目を瞑った…



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