初恋は夢の中
静寂は、長く続かない…。


「お客さん、着きましたよ。」
タクシーの運転手の声。


あぁー…
やっぱり、現実だったのか…


永遠に到着地に、着かなければよかったのに…。



タクシーから降り
「行こう。」
先生が、頼り無く言う。


私は、トボトボと覚束ない足で先生に付いていく。



私達は、病院の看護師に連れられ何故か、病室と異なった場所に連れていかれた。


真っ白な壁に、真っ白な扉。


ソコには、『霊安室』と書いてあった。



看護師が、「どうぞ。」とドアを開けてくれる。


中には、白い布で覆われた二つの物体…


先生に即され、中へと入る。



「顔は幸い綺麗なままなので、どうぞ見て上げて下さい。」
看護師が言った。


言われたまま、白い布を捲り顔を見た。

間違いなく、父と母だった…




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