初恋は夢の中
長い夜
「 茂康さん… 」
私は密かに、名前を呼ぶ練習をした。


「よしっ!今日は、名前で呼ぶぞぉー!」
気合い十分に、先生の前へいく。

「し、し、し…。あのぉ、 しぇんしぇ…」

「どうした?風邪か?」
と言って、私のおデコに手の甲を当てた。

「熱は無いみたいだが…。今日は、早く寝るんだぞ!」

「 … … はい。」
俯く私…。


「明日の、夕方には帰れると思うが、着いたら連絡する。戸締まりは、しっかりな。桃子さんも、宜しく頼んだね。じゃ、行ってくる。」

「行ってらっしゃい…」
二人で手を振って、見送った。



先生は、出張で出掛けていった。



「フフフ…」
桃子が笑った。

「な、なにぃ…。」

「なまえ… とうとう、言えなかったね…」

「な、なんで。知ってんのぉ~?」

「だって…練習してるの、聞こえちゃったんだもん!」

「 … … … 。」
私は恥ずかしくなって、真っ赤になった。


「さぁっ!気を取り直して、学校!学校!」
桃子は、はしゃぎながら言った。



桃子の イジワルゥ…(涙)



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