初恋は夢の中
やっと、ウトウトした時だった…


下の階で、カタカタと音がした様な気がした。


気のせい!?


戸締まりは、桃子と確認しながら、全て鍵をかけたし…大丈夫!大丈夫!


気のせい、気のせい!
と、また眠りに入った。


― カタン ―


まただ…。
今度は、気のせいじゃなかった。

もう…、やっと寝れそうだったのにぃー。


見に行こうかな…
でも、ちょっと怖い…

『桃子…、桃子ってば… 』
静かに起こす。

「うんん…。なにぃ… もう朝?」
目を擦りながら、起きる。

私は、しっ!と唇に指を当てた。

『どぉーしたの?』
今度は囁く様に、桃子は話した。

『誰か、家の中に入って来たみたい…』

『うそ…?だって、全部鍵かけたでしょう?』

『そうなんだけど、下で物音がしてるから…』

『えっ!美和子… 怖いよ…』
桃子は、私にしがみついた。

『大丈夫!私、下見てくるから、桃子は警察にTELしておいて…』

『美和子…、危ないってばぁ… 』

『 大丈夫!じゃ、頼んだから!あっ、桃子は、ここに居てよ!』

そう言って私は、静かに廊下を歩いた。



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