初恋は夢の中
「何が目的なの?」
私は強ばりながら、山田を睨んだ。

「目的?んなもん、ねぇーよ!強いて言えば、安部が桃子に愛の告白をしに来た事だな。」

「愛の告白?あんなコトしておいて、告白?冗談でしょう?」

「あんなコト?ただの、お遊びじゃないか?純情なフリしやがって。男と同棲とはな!お前等の方が、よっぽど汚れてないか?あっ!!」

「なによっ!汚ないテでしか、女をモノに出来ないじゃないっ!」

「黙れっ!なにが、汚ないだっ!安部の気持ちを弄んでっ!おまけに、被害届けとはな!」

「弄ぶ?いつ?勝手な思い込みをしないで!」
私は力一杯、山田を蹴り飛ばした。

そして次に、安部の頭を思いっ切り殴った。

安部は簡単に倒れ、桃子を起こし助ける。


「桃子!今のうちに、早く逃げよう…」

桃子は、腰を抜かして中々立てなかった…

私は桃子を支え、歩こうとしたとき…


足首を掴まれ、私達は倒れてしまった。



今度こそ、今度こそ…
もう、ダメだ…

助けて… 先生…



私は、目を瞑った…。


< 43 / 258 >

この作品をシェア

pagetop